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2008年07月 アーカイブ

2008年07月01日

ダビング10の前に

ダビング10という言葉を最近耳にしますが、ダビング10とはいったい何でしょうか?
その前に、まずはその大元となる地上デジタルテレビジョン放送についてご説明する必要があります。
ダビング10と地上デジタルテレビジョン放送、通称「地デジ」には密接な関係があるからです。

地デジの名称に関しては、すでにかなり浸透している一方、一体どういう仕組みなのかは、わからない人の方が多いかと思います。
そこでまず、地デジについてご説明します。


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現在の地上波放送は、1953年から現在にかけて、アナログ方式で放送されています。
これに対し、アナログ方式からデジタル方式に変えて、もっと他の電波も有効利用をおこないながら、より鮮明で美しい放送にしようというのが、地デジと呼ばれる地上デジタルテレビジョン放送なのです。

これは単に映像の質を向上させるというだけではなく、デジタル化することで電波を圧縮して空きスペースを生み、次世代機器に電波の一部を提供するという意味合いもあります。
そして、このデジタル化が完全に進み、アナログ放送終了する2011年7月24日以降は、現在のアナログ方式にしか対応していないテレビは、地デジ用の新たにチューナーを導入しないと、一切テレビを見る事ができなくなります。

ダビング10は、この地上デジタルテレビジョン放送の録画形態に関して、新たに設けられたルールです。
ある意味、技術が発達していろいろな事ができるようになった現代の弊害を抑える為の制度と言えるかもしれません。


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2008年07月02日

地上デジタルテレビジョン放送の録画規制

もうテレビや新聞等で何度も説明されているので、地上デジタルテレビジョン放送が始まるということに関しては、知っている方も多いかと思います。
ところで、地上デジタルテレビジョン放送が始まることで、従来のテレビが使えなくなるのですが、その周辺機器として最も普及しているビデオ・DVD・HDDといった録画用機器はどうなるの? というところが気になるでしょう。
これについては、地上デジタルチューナーを買えば外部入力という形での録画は可能です。

ただ、機器を用意することとは別の面で、これまでとは違う形が生まれています。
それは、ダビング(録画やDVD映像などのコピー)が制限されるということです。
理由は、デジタルデータのコピーは短時間に大量に作れるので、海賊版流出などを規制する為にも、必要だという判断がなされたのです。


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この規制の為に、総務省の「情報通信審議会 情報通信政策部会・デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」というやたら長い名称の委員会が、デジタル放送の録画はダビングなしの一回きりだ、という制度を作りました(自分で録画した映像は見ることができますが、他にコピーはできません)。
これはコピーワンスと呼ばれるルールです。

しかし、それではあまりにも使い勝手が悪いのです。たとえば、録画したテレビ番組をDVDに移すと、元の映像は無くなってしまうとかです。
ということで、各方面からブーイングが飛び交った結果、それではもう少し緩和しましょうということで生まれたのが、ダビング10という案です。

ただこのダビング10も、一度はまとまりそうになったものの、まだ問題があるという意見が多くて、確定するまでに、いろいろ迷走が長く続きました。
一つの事を決めるのにこれだけ時間がかかるのも、ダビング10がそれだけ難しい問題だからと言えるのでしょうね。


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2008年07月03日

ダビング10の内容1

地上デジタルテレビジョン放送が始まるにあたって、その録画方法にまつわる規制にはさまざまな問題がありました。
デジタルデータは短時間での大量複製が可能で、違法コピーといった犯罪に利用されやすいからです。
その為、総務省は当初、コピーワンスという一次コピーのみ可能でダビングは不可という規制を各メーカーに通達しましたが、これにはメーカー、視聴者共に大憤慨で、あっという間に却下されました。

反対の理由の主な点は、録画に失敗する可能性もあるにもかかわらず、一回のみの録画というのはあまりに視聴者に厳しいものであるということです。
その結果、代替案として提出されたのが、ダビング10という規則です。


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このダビング10とは、デジタルチューナー搭載のHDDレコーダーなどといったハードディスク搭載の録画機器を対象にしたルールです。
その機器のハードディスクに地上デジタルテレビジョン放送を録画した後、DVDなどの媒体に対し、9回のコピー+1回のムーブが可能というルールです。
ムーブというのは、別のメディアにその内容を書き込んだ際に、元のメディアからデータが消去される作業のことを指します。

パソコン上の作業で言えば、コピーはそのままコピー、ムーブはカット&ペーストの事を指します。
10回目のコピーは自動的にムーブとなり、元のメディアから消える仕組みになっています。
よって、10回目のコピーと同時に元データは消えてなくなります。
この結果、データとして残るのは、全体で10個までという制限になります。
これが、ダビング10という名前の由来ですね。


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2008年07月04日

ダビング10の内容2

ダビング10というのは、受信機内臓HDDにのみ対応した、他のメディアに対してコピーが9回、ムーブが1回まで許可されるというルールです。
このコピー9+ムーブ1の根拠は、「情報通信審議会 情報通信政策部会・デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」の説明を引用すると、「ポータブルデバイスの登場で、コンテンツにおける娯楽が多様化している為、携帯電話、各プレーヤーなどにおける扱いを考慮すると、一人あたり三つが適当。そして、一世帯における視聴者の数は平均三名なので、3×3で九個が妥当」という事です。
つまり、HDDからDVD、ブルーレイディスクへのコピーだけではなく、ポータブルデバイスへのコピーを考慮した結果、この9+1という数字が一番落としどころとしてふさわしいという結論に至ったということですね。


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このような結論に達したとはいえ、この考えには、賛否両論あるかと思います。
ポータブルデバイスへのコピーを考慮して、何故1人あたり「3」という数字が導き出されたのか、そして一世帯における視聴者の数は果たして本当に平均「3」なのか、といった点には疑問が残ります。

そもそもこの9+1という数字を19+1にしたとすると、それではだめな理由は出てくるのでしょうか。
9+1ではよくて19+1では駄目な理由というのは、あまり思いつきません。
違法コピーなどの犯罪に利用するにしても、10と20でどれほどの違いが出てくるでしょうか。
犯罪の抑止力としては、おそらく違いはないと思われます。

ダビング10が今まで決定に時間がかかったのも、こういったあやふやな面が多すぎるからかと思います。
ダビング10という制度自体に疑問が持たれてしまっていたのです。


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2008年07月05日

ダビング10の内容3

基本的に、ダビング10の適用範囲は、地上波のすべての放送という事になります。
例えば、NHKの「ニュース7」にしても、CXの「めちゃ×2イケてる!」にしても、NTVの「行列のできる法律相談所」にしても、ANBの「ぷっすま」にしても、TBSの「サンデーモーニング」にしても、テレ東の「開運! なんでも鑑定段」にしても、そして各地方のローカル番組にしても、すべてが対象の範囲となります。

これに加えて、BSデジタル放送についても、無料放送に関してはダビング10が適用される予定です。
一方、有料放送のWOWOW、スターチャンネルなどといったチャンネルに関しては、ダビング10ではなくコピーワンスが起用される予定です。
つまり、ダビング10の許容範囲ではなく、一回のムーブしか行えないという事になります。


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ダビング10は、HDDレコーダーやパソコンHDDへのデジタル放送録画に関しても適用されます。
ワンセグ放送についても同様です。

現在、地上波放送が見られるのは、いわゆるテレビだけ、という時代ではありません。
パソコン、携帯電話でも放送が見られる時代ですし、専用のチューナーさえあれば、PSP、DSなどのゲーム機でも見る事ができます。
こうなってくると、テレビは壁にかけられる極薄の物か、持ち運びできる携帯性の高い物か、大画面の迫力ある物かの3択といった感もでてきています。

したがって、地上波放送を見る環境というのも、昔と比較してかなり変わってきていますし、それは録画に関しても同様です。
便利な機能がつけばつくほど、録画しておいて好きな時間に見るという機能を重宝する人が増えるというものです。
ですから、ダビング10には大きな注目が必然的に集まるのです。


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2008年07月06日

ダビング10の問題1

ダビング10は、コピーワンスと比較すれば、ずいぶん規制が緩やかになっています。
とはいえ、このルールも問題は山積みです。
そうでなければ、ダビング10は、2008年の6月辺りにはとっくに成立していた筈なのです。
ですから、そこでは、かなりの問題が生じていたと考えて良いでしょう。

実際、ダビング10には問題が数多くあります。
例えば、ダビング10は、対象がデジタルチューナー搭載のHDD録画機器に限定されている点です。
これは、HDDを搭載していない録画機器に関しては、ダビング10は採用されないということです。
そのような機器の場合は、従来どおりの動作となります。
録画機器の形態によってルールが違うというのは、不公平感を拭えません。


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また、ダビング10の規格が明確になっていなかった、少し前に発売された録画機器がダビング10に対応していないというのも、やはり不公平感が出てしまいます。
未対応の機器を買ってしまった人にとっては、複雑な心境にならざるを得ません。

こういった点も考えると、ダビング10は、やはり柔軟性に欠けているという印象があります。
それによって、視聴者が右往左往してしまうようでは、ルールとしてやや稚拙という感じです。
問題点が指摘される時点でまだまだ検討不足だったとも言えますが、やはり安易に決めてしまった部分が多いように思えました。

とはいえ、コピーワンスと比較した場合、かなり実用的になったのも確かです。
視聴者がどういった規格を望んでいるのか、どのような録画形態であればストレスを感じないのかといった点をもう一度見直して行けば、誰もが納得する物ができるのではないでしょうか。


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2008年07月07日

ダビング10の問題2

ダビング10のコピー規制に関して、他の問題点を挙げてみます。
問題点の一つに、いわゆる孫コピーができない、というものがあります。
孫コピーというのは、1回コピーしできた、2代目のデータを元にして、更に別の媒体にコピーするというものです。
つまり、「A→B、A→C」ではなく「A→B→C」というコピー方法ですね。
これができないという事は、大元のデータが消えてしまったり、手元になくなれば、もうコピーはできなくなるという事になります。

これに関しては、問題というよりは意図的に規制している訳だと思います。
犯罪防止としてダビング10を利用する以上、孫コピーを規制しないことにはあっという間に大量複製が可能となってしまうからです。
ただ、孫コピーも含め9回まで、というようにすれば、この観点でのマイナス面はなくなります。
元データが消失する可能性を考えると、孫コピーは許可して欲しいというのが本音ですね。


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ダビング10の問題として次に挙げられるのが、有料放送への未対応です。
地上波は全てフォローしているものの、WOWOWなどの有料放送に関しては、従来通りコピーワンスになってしまうというのがダビング10の現状です。
例えば、有料放送のサッカーの試合を録画した時、それを数人の友人からダビングして欲しいと頼まれても、できないのです。
これはあまり使い勝手のいいことではありませんよね。
有料放送だからコピーする必要はない、とする理屈があるわけでもないのですから、このあたりに関しても、もう少し柔軟性を持って欲しいものです。


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2008年07月10日

ダビング10の問題3

ダビング10の問題の一つに孫コピーができないという事を挙げました。これについては、一般的な問題点の他にも、これによる最大の弊害ともいえる問題があります。それは、2008年に東芝が撤退を表明した「HD DVD-R」の件です。
この「HD DVD-R」に関して何が問題なのかというと、HDで書き込んだデータを別のメディア、例えばBlue-rayに移す事ができない、という事です。

これは特にHDのメディアを持っているユーザーには、かなり由々しき問題と言えます。
というのも、既に撤退が決定している「HD DVD-R」は、今後録画機能を搭載される事がない為、現在「HD DVD-R」に録画してあるデータを移行させることが事実上難しくなるからです。
「HD DVD-R」に貴重な映像、例えば旅行の時の様子を動画にしていたり、結婚式の様子を写した映像を記録していた場合、「HD DVD-R」の再生機が壊れてしまうと、もう見ることができなくなってしまうのです。「HD DVD-R」をBlue-ray専用の再生機で見ることはできませんから。


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これに対しては、何らかの対処をして欲しいところですよね。
「HD DVD-R」の規格で録画していたデータに関しては関知しない、という姿勢では困ります。
規格が統一されるのはいい事ですが、それに関しての後始末はしっかりして欲しいものです。

ダビング10を今後スタンダードな規則として用いるならば、柔軟性を持たせてユーザーの不利益にならないようにしなければ、中々浸透しないのではないでしょうか。
犯罪に利用されない事、情報の保護などはもちろん重要ですが、ユーザーに不満やストレスを感じさせるような規則では、意味がありません。

ダビング10が今後どういった展開を見せるか、注目です。


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2008年07月11日

ダビング10の仕組み1

ダビング10で孫コピーを規制するにはどうしているのでしょう?
実は仕組み自体は、それほど複雑ではありません。
1回だけコピーできるワンスコピーと、基本的には同じだからです。

ワンスコピーは、見かけは一回のみのコピーが可能という仕組みのように思えます。
しかし、この仕組みは厳密には一世代のみのコピーが可能という考えの下で設計されています。
例えば、地デジ放送の番組をHDD録画機器やDVDレコーダーに録画したとすると、これは一世代目のコピーとみなされるのです。
この時点で、録画された放送データはコピー不可の一世代目データとして処理されます。
ですから、このHDD録画機器やDVDレコーダーのデータは別のメディア(DVDなど)への録画を行なう事はできなくなるのです。


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では、ダビング10はコピーワンスと違って、二世代目のコピーまで許可しているのかというと、そうではありません。
実は、ダビング10でもコピーワンスと同じく、一世代目のコピーがなされた時点で、そのデータをコピー不可として処理します。
もちろん、それではワンスコピーとなんら変わりませんよね。
どこが違うのかというと、デジタルチューナー搭載のHDD録画機器に保存した時点では、一世代目のコピーとはみなさない、という点です。

こうしてデジタルチューナー搭載のHDD録画機器に関してだけは、次のコピーが一世代目のコピーとなるという仕組みですから、別メディアへの移動が可能となったのです。
ただし、デジタルチューナー搭載のHDD録画機器から別のデジタルチューナー搭載のHDD録画機器に移動させた場合は、その時点でコピー不可データとなります。
これがダビング10の仕組みです。


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2008年07月17日

ダビング10の仕組み2



Blu-rayでハイビジョンライフ



ダビング10は、従来のワンスコピーとは違い、HDD録画機器への最初のチューナー録画保存のみ、一世代目のコピーとはみなさない技術によって整理しています。
それでは、もしHDD録画機器以外の録画機器で最初に録画した場合は、一体どうなるのでしょうか。

この場合は、ワンスコピーと同様の扱いになります。
つまり、録画した時点でそのデータはコピー不可のデータとして処理されるわけで、他のメディアへのコピーが不可能となります。
これはリムーバブルメディアへの録画が行なわれた場合が主なケースですね。





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リムーバブルメディアとは、DVDなどの持ち運びが可能なメディアの事を指します。
具体的には、Blue-ray Disc、DVD、現在は撤退されているHD DVDなどの光ディスクですね。
また、これ以外に、メモリースティック、SDメモリーカードなどといったフラッシュメモリーのメディアやリムーバブルHDDなども該当します。
これらのリムーバブルメディアに録画した場合は、もう最初の録画時点でコピーができなくなるのです。

これが何を意味するのかというと、ダビングできる録画をしたければデジタルチューナー搭載のHDD録画機器を買って、これで番組録画してくださいという事です。
この点が、ダビング10が融通の利かない規則として不満を述べられている大きな理由だと思われます。

ダビング10が今後の録画規制の基準として定着するには、こういった面の改良が必須と言えます。


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